<阪神3-4中日>◇21日◇甲子園

 残った、残った。CS本拠地開催権を懸けた広島との2位争いで、阪神が残したのは0・5ゲーム差…ではなかった。塁上に置いてけぼりにした数は17人。2回をのぞく10イニングで走者を出したが、ホームを踏んだのは3人だけだった。4時間33分もの戦いも、終わってみれば2度目の自力2位消滅。和田豊監督(52)の顔も徒労感がにじんでいた。

 「昨日、一昨日と出たところが…あと1本が出なかった。そこに行き着くまでも反省点があるけど、振り返っても仕方ないんでね。もう1回いきます」

 序章は1回だった。先頭上本が四球で、大和はバント成功。1死二塁で鳥谷、ゴメスが凡退した。荒れ球の伊藤を崩せず、自慢の中軸は3人で16打数2安打。極め付きは同点の7回で、3四球をもらって満塁としたものの、この回のアウトはいずれも三振。4試合連続2桁安打は実らなかった。

 「そういうことができないと、そういう試合になってくる」

 指揮官が嘆いたのは、毎度のバントミスだ。3-3の8回、先頭上本が左翼フェンス直撃の二塁打を放った。リーグ犠打王の大和はバントを2度ファウルした揚げ句に、スリーバント失敗。大和は10回にも無死一塁でバントが投飛となり、勢いをそいでしまった。

 勝てば、誕生90周年の甲子園で3季ぶりの勝ち越しだった。コイの背中も遠くなる。残り8試合で広島との直接対決2試合を残すが、逆転2位へのデッドラインが迫る。南球団社長から「全勝指令」が飛んで始まった連勝も「3」でストップ。10月の甲子園が、遠くなっていく。【近間康隆】

 ▼阪神が今季最多の17残塁(延長11回のため参考記録)。9イニングの試合での球団最多は18で、43年10月16日阪急戦、73年5月29日巨人戦、90年8月2日中日戦の3度。なお9イニングでのプロ野球最多は19で、DeNAが今季7月15日広島戦で記録した。

 ▼阪神が17三振を記録した(延長戦のため参考記録)。1試合17三振以上は、96年4月12日広島戦の17個(延長13回)以来。70年以降では95年開幕戦4月7日中日戦(ナゴヤ)で、延長14回を戦っての18三振が最多。なお9イニングでの球団最多は16三振で複数回あり、最近では07年8月25日中日戦(ナゴヤドーム)で記録。