阪神が今季全試合終了予定の10月1日から、11日開幕のクライマックスリーズ(CS)ファーストステージ(S)までの期間に「みやざきフェニックス・リーグ」での調整スケジュールを組むことが22日、決まった。2連敗でCS敗退した昨季は日程上の都合もあり、本拠地甲子園での調整に終始していた。また、CS突破へ、ドラフト1位岩貞祐太投手(23)の中継ぎ起用プランも浮上した。

 虎がCS突破へ、後手を踏まないように準備を進め始めた。優勝の可能性がわずかに残っているとはいえ、首位巨人のマジックは5。ゲーム差は7・5まで広がった。CSファーストSへの備えも行わなければいけない。順位は未確定だが、ミラクルVを含め、いずれにせよ大舞台を勝ち上がるために宮崎を経由する。10月6日開幕の「みやざきフェニックス・リーグ」に乗り込む方針だ。

 1軍首脳陣、野手、投手が、宮崎に集合。昨季はシーズンからCSファーストSまでの間隔が中3日と短いこともあり、甲子園での調整だけに終わっていた。結果はまさかの2連敗。同じ失敗を繰り返せない。今季残り試合で中止がなければ、最終戦からCS初戦まで中9日もある。CSファーストSに先発する投手陣が登板するとみられ、他球団の若手を相手に、実戦感覚をキープすることが可能。さらにチームは甲子園練習でもシート打撃などを行う予定で、実戦感覚を鈍らせないことを徹底する。

 CSスペシャルプランを試したい意図もある。ドラフト1位岩貞の中継ぎ起用だ。現在1軍中継ぎ左腕は高宮のみ。2軍調整中の加藤、榎田らは調子が上がっていない。岩貞について、中西投手コーチは以前「(中継ぎ)適性はある。四球が気になるが、2種類のスライダーが武器だからな」と話している。岩貞は1軍登板6試合すべてが先発。救援起用への準備期間に充てたいというわけだ。

 昨季のCSファーストSは広島を相手に、藤浪、メッセンジャーを立てて敗れた。すでに今季の下克上へ、大枠は描かれている。もちろん2位浮上が目下の最重要課題ではあるが「(先発の)3枚はだいたい決まっている。球場によって1枚目と2枚目は変わるかもしれないが」(中西コーチ)。「3枚」とは能見、メッセンジャー、藤浪とみられ、開催球場との相性などを熟考して、最終結論を出していく。宮崎経由の日本一へ。虎が突き進む。