クライマックスシリーズ制覇へ景気づけだ!

 広島ライネル・ロサリオ外野手(25)が7日、セ・リーグの9月度月間最優秀選手(日本生命月間MVP)に初選出された。リーグトップの打率4割1分3厘と当たりまくった勢いもそのままにCSへ。練習生から4番打者も任されるようになった助っ人がセ・リーグ3位からの下克上へ全力を尽くす。

 練習生上がりの助っ人に栄冠だ。昨秋にドミニカ・カープアカデミーから練習生で来日して1年。ロサリオが月間MVPという一流の証明をつかんだ。

 「サプライズだよ。ビッグリーグで4番を打たせてもらって、しかも月間MVPだから。光栄に思う。素晴らしいことだ。試合の中ですべてを出し切ることに集中した結果だと思う」

 9月は23試合に出場、75打数31安打の打率4割1分3厘、5本塁打、19打点の成績を残し、チームの上位争いに貢献した。

 なによりハングリーさが身上だ。4月23日に初昇格すると2本塁打を放つなど活躍したが5月2日に出場選手登録抹消。その後も5月24日昇格→6月2日抹消、6月12日登録→7月9日抹消と1、2軍を往復。それでもエルドレッドの不調に伴い、8月14日に昇格した後は1軍に定着し、4番も任されるなど主軸となり、9月にいい仕事をした。

 特徴は思い切りのいいプレーだ。前日6日巨人戦では左翼のファウルフライを取った後に迷いなく一塁へ全力で送球。一塁走者を封殺に取るビッグプレーを演じた。同様に打席でも力強いスイングが光る。

 「ボールをしっかりコンタクトすることだ。日本での1年間、まったく生活は問題なかった。友人がいるし、日本食もあう。苦しい、つらいとは感じないし、楽しんでいるよ」

 チームは6日のシーズン最終戦で巨人に屈し、3位となった。それでもまだ日本一へのチャンスは残る。まずは11日から甲子園で阪神と戦う。

 「タイガースの投手陣は手ごわいローテーションだし、打線もつながる。自分たちのすべてを出し切るだけだよ。(日本一の可能性は)すごく期待を持てると思うよ。優勝したら、広島という街のためにも、自分のためにもなる」

 ロサリオ自身の野球人生と重なるように、広島の秘密兵器が暴れれば、3位からの「下克上」も期待できるはずだ。

 ◆ライネル・ロサリオ

 1989年3月29日、ドミニカ共和国生まれ。米カージナルス2Aを経て、カープドミニカアカデミー。昨季終盤に練習生として来日。秋季キャンプの紅白戦で2本塁打。今年1月31日に支配下選手登録。4年契約を結び、契約金1000万円、年俸1000万円プラス出来高。今季69試合出場、打率3割3分6厘、49打点、14本塁打。家族はサンディ夫人と1男1女。186センチ、103キロ。右投げ右打ち。