クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第1戦(11日、京セラドーム大阪)の先発が決まっている日本ハム大谷翔平投手(20)が、ファイナルステージに勝ち進んだ場合には、外野とDHの「野手二刀流」で起用される方針が固まった。強力ソフトバンク打線を相手に最大6戦すべてに出場し、「攻撃型打線」の中軸を担う。8日は札幌ドームで行われた紅白戦で、9月26日以来の実戦打席に立ち、適時二塁打を放つなど3打数1安打。CSへ弾みをつけた。

 投打「二刀流」大谷のCS活用法が決まった。オリックスとのファーストステージ初戦で「開幕投手」を務めることは決まっているが、ファイナルステージでは、外野とDHの「野手二刀流」になる。最大6戦すべてに出場する。栗山英樹監督(53)は「ファーストステージは投手、ファイナルは野手。守備に就くこともゼロではない」と明言。今季、外野手でのスタメン出場は8試合しかないが、投手起用を“封印”することで、「野手・大谷」をフル回転させる。

 「超攻撃型」で攻めダルマになる。同監督はCSを前に「選手にも言おうと思っているけど、とにかく攻め続ける。絶対に引くな。我々はチャレンジャー」と話す。オリックスを倒せば、チーム打率12球団トップ(2割8分)の強敵ソフトバンクと相対する。目には目を、強力打線には強力打線を…。打者大谷は今季、打率2割7分4厘、本塁打は中田、陽岱鋼、ミランダに次ぐ4位(10本)。打順は5番が濃厚で毎戦ラインアップに組み込めれば、攻撃力は上がる。さらに、外野守備に就くことでDHの枠が空きミランダ、稲葉らとの併用も可能になる。

 不安材料は実戦勘だけだった。ファーストステージ初戦は投手で迎えるため、ファイナルステージでの打者出場は「ぶっつけ」になる。風邪をひいた影響もあり、実戦の打席は9月26日ロッテ戦が最後。だがこの日行われた紅白戦で、4回1死三塁の第2打席に左中間を痛烈ライナーで破る適時二塁打を放った。「ヒットを打ったからということじゃないけど、打席に立って、投手の球を見られたのはよかったです。最初(の打席)から、そんなに悪い感じはなかったです」と不安を打ち消した。

 今日9日には、最初の決戦の地・大阪に移動する。札幌ドームの監督室で荷造りをした栗山監督は、「とにかくもう1回戻ってくるんだ」と、日本シリーズに出場を決めて凱旋(がいせん)することを誓った。そのキーマンは、投打ともに大谷になりそうだ。【本間翼】