3年ぶりにリーグ優勝したソフトバンクにドタバタ劇が発生した。9日、台風19号の影響もあり予定していたみやざきフェニックスリーグの韓国ハンファ戦(ひむか)が雨天中止に。今日10日以降も天気が読めないため、予定を3日繰り上げてこの日、急きょ福岡に戻った。貴重な実戦調整の場が減り、クライマックスシリーズに向けて水を差された格好だ。

 秋山幸二監督(52)が恨めしそうに空を見上げた。「予想外だよ。(降水確率は)40%だったのにな。台風の天気は分からんなあ」。宮崎は、北上を続ける台風19号や湿った空気の影響を受けて朝から雨。1軍メンバーが多く出場する予定だった韓国ハンファ戦の中止が午前8時過ぎに発表された。

 台風19号の名称「ヴォンフォン」はマカオの言葉。意味する「スズメバチ」の一刺しがドタバタ劇の引き金となった。中止決定後、休養日だった今日10日に宮崎にいる他のチームと練習試合を緊急交渉。ただ、まとまらない。1軍滞在最終日の12日まで天候不良の可能性もあり、さらに予定を変更した。雨天練習場で調整を終えた午後、選手は飛行機とバスに分かれて福岡へと戻っていった。

 宮崎滞在は6日間から3日間に短縮。15日開幕のCSファイナルステージに向けて予定していた4試合中、消化できたのは8日の1試合だけだった。明日11日以降は練習に紅白戦などを組み込んでカバーする。「実戦形式で。このやり方しかないだろう」と秋山監督。ただ、大事な実戦調整の場が失われたことで、選手の仕上がりに影響を及ぼす恐れがある。

 15日のCS初戦に先発が決定的な大隣は、明日11日の楽天戦での調整登板が流れた。「(紅白戦などは)味方に投げるから気を使う」と厳しい顔。自然現象には逆らえないが、日程が二転三転してチーム内には「こんなことなら宮崎に来るんじゃなかった」との声も聞かれた。それでも選手会長の松田は前向き。「福岡でゆっくりできるから、プラスに考えたらコンディションを作りやすい」。災いが福に転じるよう、祈るばかりだ。【大池和幸】