162キロも打ち返したるで!

 オリックスが「大谷対策」に動いた。京セラドーム大阪で9日、練習を再開。フリー打撃で珍しい光景が広がった。首位打者の糸井嘉男外野手(33)や24本塁打のT-岡田外野手(26)ら主力野手が、立ち位置を変えた。打撃ケージからはみ出すほど前に出て、打撃投手の球を打ち返す。日本球界最速の速球対策に他ならなかった。T-岡田は言った。「2回やられている。何とか点を取らないと勝てない。直球の割合が多いし、打ち崩したい」。糸井も「球が速いから」と快速球を意識した。

 CSファーストステージ初戦の日本ハム先発は大谷だ。今季は2戦2敗で、対戦防御率2・30に封じられている。しかも5日の楽天戦では日本球界最速タイの162キロを計測したばかり。難敵を攻略しなければ、2勝勝ち抜けの短期決戦を制することはできない。プライドをかなぐり捨てて、20歳の右腕対策に励んだ。

 今季は1点にこだわった野球で前評判を覆し、2位でフィニッシュ。森脇浩司監督(54)は「年がら年中、奇襲をやっていると思われているが、セオリーはチームが決めるもの。当日、この人は何考えているんだ、と言われるかもしれないね」と不敵に言い放った。大谷攻略に、乞うご期待だ。【田口真一郎】