<セCSファーストステージ:阪神1-0広島>◇第1戦◇11日◇甲子園

 広島エース前田健太投手(26)は志願してCS開幕戦に中4日先発し、1発に泣いた。0-0の6回1死、6番福留に3-1とカウントを悪くし、真ん中低めに入った150キロ直球をバックスクリーンまで運ばれた。100球目が痛恨の失投となり、6回1失点で黒星。「(1発は)甘く入ってしまった…」。悔しさで表情をゆがませた。

 シーズン最終戦の6日巨人戦は初の本拠地CS開催を懸けて先発し、8回3失点で負けた。118球を投げ、今年1度もなかった中4日登板は厳しいという見方もあった。野村監督は「最初は(CS開幕戦は)マエケンじゃない投手で行こうと思っていたけど、本人が行かせてくれと言ってきた。悔しさもあったのだろう」と説明し「よく投げてくれた」と続けた。

 悔いが残らないと言えばウソになる。ルーキー大瀬良をダミーに仕立ててまで先発を隠し、満を持してのマウンドだった。福留には今季チーム全体で打率3割1分3厘、4本塁打、11打点を許し、前田も8打数で1発を含む4安打の打率5割と打ち込まれていた。警戒していた相手に被弾。前田は「(中4日の疲れは)関係ない。勝たないと意味がない」と自らを責めた。

 エースが今季を象徴するように勝負どころで勝てず、もう2連勝しか勝ち上がるすべはない。今季限りでの辞任が決まっている指揮官は「初戦は大きいものだけど、こうなったら自分たちの野球をするしかない」と冷静に視線を上げた。14年、若鯉軍団は確かに旋風を巻き起こした。まだ、終戦は早すぎる。【佐井陽介】