<セCSファーストステージ:阪神1-0広島>◇第1戦◇11日◇甲子園

 待望のハイタッチだ。虎の子の1点を守りきった。選手を迎える阪神和田豊監督(52)の瞳は潤んでいるように見えた。シーズン中と同じように並んで客席へ一礼。「選手にはビッグゲームを楽しんでこいと送り出したけど、私自身が変に緊張したような感じになった」。引き揚げる際には、珍しくスタンドへバンザイ。2年越しで手にしたCS初勝利。喜びを隠しきれなかった。

 節目で行う試合前の全員ミーティング。虎将は静かに語りかけた。

 「ここまで来られたのは君たち選手のおかげだ。みんなの頑張りで甲子園で戦えることになった。大観衆の中でプレーできることを楽しんでほしい。決して悲愴(ひそう)感はいらないから」

 続投決定後、初めての試合は、理想とする野球で勝った。メッセンジャーを好守でバックアップ。鳥谷は4回、梵の三遊間へのゴロや、7回の堂林の弱い打球を素早く処理した。7回にはゴメスも、一、二塁間のゴロを体勢を崩しながら好捕。シーズン中に散々やられた菊池と丸、松山は1度も塁に出さなかった。

 和田監督

 全員が集中して1つのボールを追うという、非常に気合の入った試合だった。多少の緊張感はあっていいけど、悲愴感はやめようと。そうじゃないと、こういうゲームはなかなか勝ち抜けない。

 シーズン3度しかなかった1番西岡、2番上本の組み合わせでマエケン攻略に挑んだ。手を尽くして突破する。「明日、何とか一気に決めたい」。虎将が願う宿敵巨人との最高決戦の場へ、突き進んでいく。【近間康隆】