<パCSファーストステージ:オリックス3-6日本ハム>◇第1戦◇11日◇京セラドーム大阪
貫禄たっぷりのラッキーボーイ誕生の予感だ。日本ハム近藤健介捕手(21)が、球界屈指の右腕攻略の突破口をこじ開けた。5回の先頭打者でオリックスの先発金子から反撃の糸口となる中前打を放った。6回には一時同点の左前打、8回にはダメ押しの中犠飛と4打数2安打2打点の大暴れ。愛称「コンスケ」の若き力が、大一番で躍動した。
あどけない笑顔が、何度も広がった。近藤が緊迫した敵地のムードを、自分色に変えた。2点を追う5回。先頭打者で中前打。この一打をきっかけに1点を返し、難攻不落のオリックスの先発金子から反撃の突破口を開いた。「流れが悪かったけど、どんどん初球から打っていこうと思った」。21歳の初々しく、大胆な力がチームを勢いに乗せた。6回には左前適時打で一時、同点。目尻を下げ、屈託のない笑顔を振りまきながら、大舞台で躍動した。
勝利へ向かって純粋に突っ走った。8回にはダメ押しの中犠飛。今度は先輩がつくってくれた好機を生かした。「気分よく、何もプレッシャーがない中で良い結果になった」。4打数2安打2打点と奮闘した。12年のプロ1年目は初安打、初打点をマークするなど上々のプロ第1歩を踏み出した。日本シリーズでは3試合に代打出場する機会をもらったが、3打数無安打に終わった。大一番での悔しさがプレーバックした。「ビジターゲームに飲まれる場面は多々ありましたけど、徐々に普段通りのプレーが出来た」と成長した証しを見せた。
自信たっぷりなプレーとは裏腹に、見た目が気になる年頃。173センチと小柄ながら体重は85キロと貫禄十分だ。太りやすい体質で、食事や運動には人一倍、気を使っている。高卒入団同期の上沢、石川慎らがスラリとした体形であることも反骨心になった。遠征先の食事会場では山盛りのサラダ中心にするなどヘルシー志向を徹底。激変した食生活は先輩たちが驚くほど。心を鬼にして改革を実行している。
ラッキーボーイ誕生の予感だ。プロ3年目の若手の台頭に栗山監督は「必死になって泥にまみれて、それが一番美しい」と独特な表現で称賛した。近藤は「ビキさん(大引)とか声をかけてくれて、普段通りやればいいと思った」と感謝した。フレッシュな若い芽が、大舞台でたくましく花開いた。【田中彩友美】



