<パCSファーストステージ:オリックス6-4日本ハム>◇第2戦◇12日◇京セラドーム大阪

 オリックスが生き残った。1点を追う8回2死一、二塁、T-岡田外野手(26)の起死回生の3ランで逆転勝ち。主砲のペーニャが負傷で抹消され、平野恵も途中交代というピンチを、若き大砲が救った。対戦成績は1勝1敗のタイ。今日13日の第3戦で勝つか引き分けで、初のファイナルステージ進出が決まる。

 手荒い祝福がうれしかった。T-岡田がお立ち台から降りるのを岩崎、駿太らが待ち構えていた。バケツにたっぷり入った氷水をかけられ、ヒーローはびしょぬれに。大はしゃぎのシーンが、1発の価値の大きさを物語っていた。

 1点を追う8回2死二塁。目の前で糸井が敬遠気味に歩かされ一、二塁。過去3打席はすべて三振。「走者が出た時から僕で勝負してくると思っていた」と冷静さは失っていなかった。3ボールと打者有利のカウント。「待て」のサインは出ずに「打て」。4球目を強振してファウル。「振りが大きくなっている」と修正し、5球目147キロ直球を完璧に捉えると、バットを握った右手を突き上げた。美しい放物線を描き、オリックスファンの待つ満員の右中間スタンドへ飛び込んだ。「完璧でした。真っすぐ一本に絞って、思い切りたたけるところに来た。チームの勝利に貢献できてうれしい。割り切っていって、最高の結果になりました。今季のうちは、最後まであきらめずにやるというのがあるので」と喜んだ。

 敗れた前日は1安打2三振。この日も早出特打を行った。6時に起き7時半には球場入り。自分の名前が入ったピンクのTシャツを着て、一心不乱に球を打った。もちろん、自分の打撃を調整するのが目的だが、別の意味合いもあった。前日の悔しさを思い返し、自分の闘志を極限まで高めるためでもあった。

 スタンドの観客にも背中を押された。観客は3万6012人。05年に実数発表となって以来、京セラドーム大阪では最多。「僕が1軍で出始めてから、こんなにファンの方が来てくれたことはなかったので、心強かったです」と感謝した。

 試合前、主砲ペーニャが右大胸筋の炎症で出場選手登録を抹消された。1回に平野恵が走塁で右太もも裏を痛め交代。糸井は両膝痛を抱える。救ったのは、若き大砲。森脇監督も「持ち味を出してくれた」と絶賛した。パCSでは過去、初戦に負けてステージを突破したチームはない。だが、T-岡田の劇的な一撃でよみがえったオリックスが、そのデータを打ち破る。【高垣誠】

 ▼オリックスが逆転勝ちで1勝1敗のタイとした。オリックスは08年1Sが●●で、これがCS初勝利。ポストシーズンの白星は、日本一を決めた96年日本シリーズ第5戦以来、18年ぶりになる。3試合制のプレーオフ、CSで1勝1敗は10度目。過去9度の第3戦はオリックスのように追いついたチームが2勝7敗と不利だが、今回はどうか。

 ▼T-岡田が逆転3ラン。1Sで敗退した08年は本塁打0で終わり、オリックスのポストシーズン本塁打は96年日本シリーズ第1戦のイチロー以来だ。逆転本塁打となると、78年日本シリーズ第1戦の8回に代打河村が逆転2ランを放って以来、チーム36年ぶり。