<セCSファーストステージ:阪神0-0広島>◇第2戦◇12日◇甲子園
広島野村謙二郎監督(48)が散った。阪神とのCS第2戦は前日に続き得点できず、延長12回コールド引き分け。CS規定により、ファーストステージ敗退が決まった。
野村監督は「優勝を狙えるチームになったと思う。ファンに支えられていることを忘れずやってほしい」と後進に夢を託した。次期監督には、球団が近日中にも緒方孝市野手総合コーチ(45)に要請を行う方針が明らかになった。
これほどホームが遠いとは…。昨年は圧倒した甲子園で広島ナインは躍動しなかった。0-1で敗れた前日に引き続き、ゼロ行進。ようやく7回、1死満塁のチャンスをつくったが、鈴木誠が三ゴロ、会沢が見送り三振に倒れた。結局、延長12回表まで得点できず、CS規定でステージ敗退が決まった。同時に5シーズン指揮を執った野村監督のラストゲームとなった。
「1点が取れなかった。取れないとは思わなかったが。まあ、しゃあない。悔いはないです。これでユニホームを脱ぐけど、あと1本が出ないところをどう打開していくか、という話はミーティングで伝えました」
静かな表情で野村監督は言葉を続けた。今年の戦いを終えた時点で辞任することは決まっており、5年間を振り返る想いも込めてのコメントだった。
監督5年目、大胆に打順を変え、選手を起用した。最後までその姿勢は変わらず、CSで挑んだのが「1番菊池・2番丸」の新コンビだった。シーズンでは1度だけだが「2番がバントしなくていい理想型」という並びを土壇場で試した。
「悔しいですね。投手が頑張ってくれていたので何とか…と思っていたけれど。来年はこれを糧にしてやっていきたい」。2試合続けて無安打に終わった丸は無念の表情で話した。
優勝を狙える位置でスタートした今季。交流戦での失速もあったがなんとか盛り返した。しかし故障者も出て、最後は力尽きての3位だった。そんな最後を振り返り、野村監督はファンへの感謝を口にした。
「マツダスタジアムはもちろん、甲子園に行っても東京ドームに行っても、あるいは西武ドームに行っても、常にファンに支えてもらった。ファンのおかげで勝てた試合も少なからずあります。それを忘れずにやってほしい」
悲願の優勝には手が届かなかったが若手も出て、戦えるチームになった。自身も「まだ何も決まっていない」というが野球への情熱は衰えず、今後はゲーム中につけた5年間の手帳を見返すという。その野村監督の「来季こそ」の思いは後輩に引き継がれていく。【編集委員・高原寿夫】



