ルーキーが先乗りスカウトになる?

 中日又吉克樹投手(23)が13日、ドミニカ共和国のウインターリーグ(現地16日開幕)に参加するため中部国際空港から出発した。早朝の空港に現れた又吉は「いいものを持っている人がたくさんいるはず。自分のプラスになることをしっかりやりたい」とワクワク。20時間以上の飛行機移動に備えて空気枕とクッションを準備し、荷物にはレトルトのパックご飯を詰め込んだ。

 選手としてのレベルアップだけではない。中日の選手が同リーグに参加するのは山井、浅尾らの09年以来、5年ぶり。今月末には森ヘッドコーチが現地を視察する予定だが、又吉が実際に見て聞いて肌で感じた情報が新助っ人獲得にも大いに役立つはずだ。又吉も「言葉でしっかりと伝えられるように(森ヘッドが来るまで)2週間やりたい」と“スカウト兼任投手”としての自覚も十分だった。

 助っ人として加わる同リーグの強豪チーム、リセイには先日までポストシーズンを戦っていたエンゼルスのエリク・アイバー内野手(30)らトップクラスのメジャー選手も多い。「内角の制球力がテーマ。外国人の反応も見たいし、向こうの投手コーチやいろんな選手の話を聞きたい」。吸収力抜群の“又吉スカウト”が生の情報をかき集める。【桝井聡】

 ◆ドミニカ共和国のウインターリーグ

 リセイ、エスコヒド、アギラス、エストレージャス、ヒガンテス、トロスの計6チームのリーグ戦方式。通常は10月に開幕し、2月まで2段階のプレーオフがある。優勝チームはカリビアン・シリーズに出場。プエルトリコ、ベネズエラ、メキシコの代表チームと優勝を争う。中日のルナはアギラス、エルナンデスがリセイに所属。