<パCSファーストステージ:オリックス1-2日本ハム>◇第3戦◇14日◇京セラドーム大阪
これが4番の仕事だ。日本ハム中田翔内野手(25)が一振りで決めた。1-1の延長10回、勝ち越しのソロ本塁打をバックスクリーンに運んだ。7回まで4打数無安打と沈黙していたが、引き分けか負ければ終わりの息詰まる熱戦にケリをつけた。通算2勝1敗でファーストステージを突破。ソフトバンクと対戦する2年ぶりのファイナルステージで、下克上での日本シリーズ進出を目指す。
最後は4番中田の一振りで決めた。延長10回。「とにかく試合に勝たないと」。ここまで4打数無安打。カウント1-0から狙い澄ました2球目。外角高め150キロ直球を打ち砕いた。一塁ベースへ走りながら、伸びる打球に向かってほえた。バックスクリーンに突き刺さる推定130メートルの特大決勝弾。負ければ終わりの危機的状況から、チームを救った。
中田
気持ち良かった。ヤバかったです。完璧でした。今年始まって一番最高の本塁打。
今季は27本塁打。8月には通算100打点をマークしたが、この夜の1発を最上に位置づけた。
チームは先制アーチを食らい、劣勢から始まった。幾度のチャンスがやってきても、決定打は奪えなかった。それでも土壇場で見せた底力に、栗山監督は「魂の部分。すごくうれしかった」と大感激した。
沸き上がるチームメートの姿が心地よかった。跳びはね、抱きつき、頭をたたかれた。「鍵谷にしても頼もしく見ていた。宮西さんも足を引きずりながら投げていた。(金子)誠さん、稲葉さんに1日でも長くユニホームを着てもらいたい」。奮闘した投手陣、今季限りで去りゆく大ベテランへ最高の結末を演出した。
原点に返る瞬間があった。ファーストステージ第1戦の試合前セレモニーで、母校大阪桐蔭の吹奏楽部が演奏。その中に当時、体育を教わった小坂教諭の姿があった。ヤンチャして迷惑をかけたことがある1人。あいさつし、記念撮影した。懐かしさが込み上げた。入学当初に野球部の西谷監督から「お前1人で甲子園に行けるのか」と問われた。もう1度、その思いをかみしめた。「誰が(点を)あげようが関係ない。4番だろうがクリーンアップだろうが誰かが仕事しないと」。胸に抱えた決意を解きはなった。
旋風を巻き起こし、敵地福岡へ乗り込む。「勝った勢いで入れる。面白い試合を1試合でも多く出来れば」。エンジン全開。中田が大暴れする。【田中彩友美】
▼中田が延長10回に勝ち越し本塁打。プレーオフ、CSで延長戦Vアーチは10年1S第1戦福浦(ロッテ)13年ファイナルS第2戦ブラゼル(ロッテ)に次いで3人目、4番打者では初。日本ハム選手がポストシーズン延長戦で本塁打は、東映時代の62年日本シリーズ第7戦の西園寺以来、52年ぶり。
▼3位日本ハムがファイナルSに進出。パ・リーグの1Sで3位が勝ち上がったのは5年連続7度目。セ・リーグの1Sは2位が5度、3位が3度勝ち上がっているが、パ・リーグでは2位の4度を上回り、3位のファイナルS進出が多い。日本ハムのファイナルS進出は6度目。公式戦1位の4度は勝ってシリーズ出場も、3位の08年は敗退だったが、今年はどうか。



