中日守護神の岩瀬仁紀投手(39)が14日、引退覚悟で来季に臨む背水決意を明かした。名古屋市近郊の財界親睦団体、「丸八会」主催の400セーブ記念表彰式に参加。「(抑えが)できないならクビになるかやめるしかない。でもこのままでは終われない気持ちは強い」ときっぱり言った。

 8月初旬に左肘痛で離脱し、リハビリのまま今季終了を迎えた。新人からの連続50試合登板は15年で、連続30セーブは9年で途切れた。3点リードを守れず9回4失点の試合もあり、防御率3・52も入団以来最悪。その間11セーブを挙げた代役福谷の台頭もあり、世代交代が印象づけられた。

 11月で40歳の岩瀬も立場は分かっていた。来年ダメなら身を引かないといけない。覚悟はある。だが一方で闘争心は衰えていなかった。左肘さえ戻れば復活できる自信があった。「(福谷から)奪い返すとかじゃなく、自分が抑えをしっかりやれるかやれないかの問題。もう1度、1年耐えられる体を作り直したい」。

 左肘を強化すべく、今日15日から10日間、鳥取の「ワールドウィング」で山井らと自主トレに励む。年内にキャッチボールを再開し、万全で2月1日のキャンプインを迎える青写真だ。「(落合)GMには『心配しとらんからな』、監督からは『しっかり治せ』と言ってもらった。僕も重症と思っていませんから」。その座を福谷に譲るつもりはない。進退を懸けた逆境をパワーに、守護神復権に挑む。【松井清員】