<セCSファイナルステージ:巨人1-4阪神>◇第1戦◇15日◇東京ドーム

 すべてはここから始まった。初回の先頭打席。阪神西岡剛内野手(30)は自分の使命を重々承知だった。「1番バッターですし、初回の攻撃が重要だから」。試合を決めた鮮やかな先制劇。その幕開けにふさわしい一打だった。

 「今日はその仕事ができたと思う」

 敵地に乗り込んだ阪神にとって、勝敗を左右する打席になった。先発内海の3球目。甘く入った変化球を捉えると、ライナーが左前に弾んだ。打線にリズムが生まれると、その後わずか2球で本塁までかえってきた。常々和田監督が「やっぱりツヨシが出ることで非常にチームも、スタンドも盛り上がるのでね」と言ってきた存在感。試合後、期待に応えた西岡の表情には充実感があった。

 ファーストステージ第2戦の猛打賞に続く、マルチ安打をマーク。試合後はベンチ裏からの長い通路を歩きながら、結果への満足を口にした。それでもロッテ時代、シーズン3位からの日本一を成し遂げた男は途中からトーンを変えた。

 「もう気持ちは切り替わっている。このシリーズが終わって勝って喜びたいから。冷静にいきたい」

 阪神の現状も過去の記憶に重なり始めただろう。リードオフマンとして、気を抜くことはない。