<セCSファイナルステージ:巨人2-4阪神>◇第3戦◇17日◇東京ドーム

 猛虎が日本シリーズ進出へ王手や。4番マウロ・ゴメス内野手(30)が3打点の活躍で逆転G倒。ファーストステージを含め、クライマックスシリーズ(CS)5戦目で初めて先手を取られたが、6回にゴメスが反撃のノロシをあげると、7回には決勝2点打。3連勝で、巨人のアドバンテージ1勝を含め、対戦成績を3勝1敗とした。さあ今日18日、一気4連勝で悲願のCS制覇を決めてみせる。

 冷静さが売りのゴメスが鬼の形相だった。同点の7回1死二、三塁。初球だ。ユニホームをかすめそうな直球にのけぞらされ、マウンドの山口を思いきりにらみつけた。闘志は一気に全開だ。2球目も内角を突くストライク。阿部は3度目も内寄りに構えた。胸元を襲う直球を引っ張り、ライナーで左前へ。鮮やかな2点適時打で、勝ち越した。

 「内角を狙っていたわけじゃないけど、ヤマグチがいい真っすぐを持っているのは分かっていた。コースを狙うより、ストライクゾーンにうまく反応できた。終盤のビッグチャンスだったし、積極的にスイングすることだけ考えたよ」

 巨人バッテリーの徹底した内角攻めを打ち破り、一塁に達すると興奮絶頂だ。山脇ベースコーチが差し出した手を思い切りはたき、何度も拍手。宿敵にセ・リーグ打点王の勝負強さを思い知らせた。ファイナルステージで巨人に3連勝。その立役者はゴメスだ。G戦6打点の荒稼ぎ。この日は先手を取られたが、試合をひっくり返してみせた。

 いつも故郷を強く思ってきた。ゴメスのiPhoneにはたくさんの「宝物」が詰まっている。同僚に自慢する1枚の画像がある。ユニホームを着て、一緒に映るのはメジャーで05年から3年連続盗塁王に輝いたホセ・レイエス(現ブルージェイズ)ら。母国ドミニカ共和国で白球に夢を託した同志。米国で1歳年上のスピードスターが活躍するのも発奮材料だろう。今季、名古屋遠征では中日エルナンデスと焼き肉に出かけた。来日1年目の異国で、夢を語れる仲間がいるのも心強かった。

 4回に右前打を放つと、6回には1死二塁で左前にタイムリー。今季公式戦で16打数2安打、打率1割2分5厘だった杉内を攻略した。「いい投手だよね。今日は打てる球が来たよ」と笑みを浮かべる。あれほど苦戦した左腕を仕留め、1年目の集大成を見せた。

 ポイントゲッターが勝負強いのは理由がある。「得点圏に走者がいるときはリラックスして、打てる球をしっかり仕留めようという気持ちでやっているよ」。この日の練習前。トカゲのおもちゃを持ち込み、首脳陣に見せては驚かせ、福留の帽子に入れて笑わせた。「平常心」こそ、最大の強みだ。大一番のまっただ中でも、すっかり肩の力が抜けている。05年以来、9年ぶりの日本シリーズまであと1勝。主砲が力強く王手をかけた。【酒井俊作】

 ▼ゴメスが3打点を挙げ、ファイナルステージ15日巨人戦3打点と合わせ計6打点。阪神打者の同一年の同一ポストシーズン試合6打点は、日本シリーズ62年藤本(東映戦)、85年掛布、長崎(西武戦)、03年桧山(ダイエー戦)と並び球団2位。なお最多は85年バース9打点。

 ▼阪神がアドバンテージの1敗を含め3勝1敗とし、05年以来9年ぶり6度目の日本シリーズ進出に王手をかけた。過去のプレーオフ、CS最終Sで先に王手をかけた延べ25チームのうち、88%の22チームがシリーズに進出している。逆転進出は77年阪急(○●●○○)10年ロッテ(■○●●○○○)12年巨人(□●●●○○○)の3チームだけ(■□はアドバンテージの勝敗)。

 ▼阪神はCSファーストSの広島戦から1分けを挟み4連勝(アドバンテージの1敗は除く)。阪神のポストシーズン4連勝は03年日本シリーズ(対ダイエー)第3~5戦の3連勝を上回る球団新。