<パCSファイナルステージ:ソフトバンク4-12日本ハム>◇第3戦◇17日◇ヤフオクドーム
日本ハム吉川光夫投手(26)が大役を全うした。9回、あと1アウトを充実感をにじませベンチで見守った。「しっかりストライクゾーンの中で勝負出来たかな」。6回8安打3失点の粘投。1本塁打を浴びたが、強打者ぞろいのソフトバンク打線に強気に立ち向かった。「流れだけはわたさないように、しっかり切り替えられた」。奮闘が白星となって実った。
もがき続けたシーズンだった。開幕投手を務めたが、調子が上がらず4試合連続勝ち星なし(3敗)。開幕から1カ月とたたない4月19日に出場選手登録を抹消された。その後も9月まで再調整を理由に3度、2軍へ。精神的に立ち直れずにいた。約3週間のノースロー調整も設け、気持ちの整理に費やした。初歩的なスローイングから少しずつ、はい上がってきた。3勝にとどまったが、10月1日楽天戦を7回1失点に抑え、レギュラーシーズン最終登板を白星で締めた。
チャンスが訪れた。ファーストステージで中継ぎ要員としてベンチ入り。慣れない調整法に四苦八苦しながらも出番を待った。ファイナルステージでは打者優先の大谷に替わり、先発ローテの谷間を埋める形で「抜てき」された。栗山監督は「(周囲以上に)オレの中で本当を言えば、吉川に投げさせたいと思っていた」と絶大な期待を込めて送り出した。「いつも通り(試合に)入れました」と笑った。指揮官の思いを感じながら、気負うことなく、大きな1勝をもたらした。【田中彩友美】



