<みやざきフェニックス・リーグ:日本ハム9-0中日>◇18日◇宮崎アイビー

 中日谷繁元信兼任監督(43)が「緊急捕球」した。視察するみやざきフェニックス・リーグに先発したドラフト1位の鈴木翔太投手(19)を降板後に呼び出し、ブルペンで30球を受けた。「常時直球が140キロを超えるようになってくれば持ち味が出てくる」と球速アップを厳命した。

 いても立ってもいられなかった。試合中の谷繁兼任監督の視線はタブレット端末の画面に向けられていた。動画サイトで鈴木翔の高校時代(聖隷クリストファー)のフォームを見ていたのだ。ちょうど1年前に動画できれいなフォームを見て一目ぼれ。全国的には無名だった高校生の1位指名にGOサインを出した。この日の試合では最速が137キロにとどまる。プロで1年を過ごした鈴木翔には迷いが生じていた。

 指揮官はマウンドを降りた右腕を呼び出してアドバイスを送りながらボールを受けた。入団してから初めて谷繁兼任監督のミットにボールを投げた鈴木翔も大興奮。「もっと手の回りがスムーズだっただろ?

 と言われました。フォームが良くなればスピードも出てくると思う」と感謝した。

 前日17日には高橋周に200本のノックを浴びせ、鈴木翔の投球も初めて受けた。今日19日までの宮崎視察は予想以上にアクティブだ。【桝井聡】