<セCSファイナルステージ:巨人4-8阪神>◇第4戦◇18日◇東京ドーム

 阪神が巨人に4連勝し、9年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。

 MVP級の働きをみせたマウロ・ゴメス内野手(30)は、グラウンドでの歓喜が静まると頭の中で冷静に1年を思い返した。

 「この瞬間のために1年間やってきた。日本シリーズに行けて良かった」

 3月28日の開幕戦。調整遅れにより、ファンからも怪しいまなざしで見られた。そんな思い出の地で心から勝利に酔いしれた。

 「ベストを尽くして自分の仕事をしようと思っていた。チームの勝利に貢献したいだけだった」

 目の前に大好きな光景が広がった。4点リードの7回1死満塁。シーズン中、塁状況別で最高となる打率4割、16打点をマークしたのが満塁だった。ライナーが左前に弾むと、二塁走者上本が本塁に滑り込んだ。試合を決める2点適時打で、CS8打点目。日本シリーズを確信したファンが一斉に立ち上がっていた。

 「1年間支えてくれた家族。そして監督、コーチが信頼して使ってくれたことにも感謝したいよ」

 4番としての強烈な存在感。それでもベクトルは支えてくれる仲間に向いている。言葉が通じない。ピンチの際にできるマウンドでの円陣にはなかなか入れない。その中で時には地面を飛び回る虫を追いかけ、ガチガチな仲間を和ませた。輪が解けた瞬間に無言で投手の尻をたたいたこともある。そんな姿勢があるから周囲に愛される。ゴメスも力を発揮できる。

 さあ、次は日本シリーズだ。「普段と一緒でグラウンドに出たらベストを尽くすだけさ」。まだ目指すところは残っている。【松本航】

 ▼ゴメスがファイナルS第1戦、第3戦の各3打点に次いで2打点。プレーオフ、CSのステージ通算最多打点はスレッジ(日本ハム)が09年CSファイナルSで挙げた10打点だが、セの選手で8打点は08年小笠原(巨人)09年森野(中日=ともにファイナルS)の各6打点を上回る最多。