オイシイところを持っていけ!

 中日谷繁元信兼任監督(43)が野手に勝負強さを求めた。あと1本安打が出れば…という場面が頻発した今季を振り返り「(チーム)打率は2割5分でもいいけど、得点圏打率は2割6分くらいにはしないと。チャンスをチャンスと思えるか」と発想の転換を説いた。

 ファンのため息が充満する。そんな場面が今シーズンは特に多かった。数字を見ても顕著だ。今季チーム打率は巨人の2割5分7厘を上回る2割5分8厘を記録。ところが得点圏打率に目を向けると、巨人がリーグ1位の2割9分に対して中日はリーグ最下位の2割5分。くっきりと違いが表れた。

 個人で見ても得点圏打率が打率を上回るのは森野、平田ら限られた選手だけだ。球団記録に並ぶ186安打を放った大島も例外ではない。打率はリーグ4位の3割1分8厘を残したが、得点圏打率になると2割2分2厘(同24位)と急降下する。その大島も「技術というより考え方」と意識の部分が重要という認識だ。

 谷繁兼任監督はこの日、みやざきフェニックスリーグ視察を終えて宮崎から名古屋に戻った。明日21日から再びナゴヤ球場の秋季練習に加わる。体だけじゃない。技術だけじゃない。谷繁流の意識改革で勝負強さを鍛える。【桝井聡】