ソフトバンク松田宣浩内野手(31)が、日本一バットを再捜索する。日本シリーズ進出決定から一夜明けた21日、軽~く考えていた問題にハッとした。「バットが折れてどうしましょう。骨折から復帰してずっと使っていたのに」。CS突破を決めたファイナルシリーズ第6戦の第2打席は併殺打。この時、松田の主戦モデルだった「幸運バット」が折れてしまった。

 リーグ優勝を決めた「10・2」決戦でサヨナラ打を生んだ黒いバットで、CS前にはグリップエンドにマジックで「日本一」と決意を記した。右手人さし指骨折から復帰した8月末から使い、CS「最終決戦」まで一緒に戦ってきた相棒はまさかの“戦線離脱”となった。「セカンドバットを探していたのに、いいのがなかった。白色の練習用もしっくりしなくて」と残された時間で再び勝負強い1本を捜すことになった。

 阪神と日本一をかけた戦いは25日に開幕する。松田にとって甲子園は中京(岐阜)2年の夏に自分のエラーで敗れて以来、思い入れのある場所。「そりゃあ悔しさが残っています。借りを返す最高の舞台。いくぞ~甲子園!」。個人的なリベンジも兼ねるチャンスとあって?

 選手会長のテンションは相棒不在でも上がりっぱなしだった。

 ちなみに3年ぶりのリーグ制覇を決め、今回粉砕したバットは、ヤフオクドーム内にある王ベースボールミュージアムで展示される予定。井上広報室長は「真っ二つに折れていましたが、サインを入れてもらい、しかるべきところに飾りたい」と語り、球団史に残る宝物としてファンの目に触れることになりそうだ。【押谷謙爾】