<SMBC日本シリーズ2014:ソフトバンク5-1阪神>◇第3戦◇28日◇ヤフオクドーム

 狙い通りに藤浪攻略だ。ソフトバンク内川聖一外野手(32)が、2戦連続で初回に先制打をマーク。1回1死三塁から藤浪のカットボールを中越えの適時二塁打。ソフトバンクベンチは藤浪のカットボールを1つの狙い球に定め、ヒットマンはしっかりと実践。積極打法も功を奏し、本拠地初戦で勝利した。

 第2戦に続いての速攻だ。1回1死三塁。3番内川がカウント2-1から藤浪のカットボールを捉えると、打球はライナーで中堅大和の頭上を越えていった。「2人の活躍を無駄にはできない。(カットボールを打つ球の1つとして考えていた状況で)曲がったと思って打ったら、カットボールだった」。少し泳がされたように打った先制二塁打。「タイミングがズレた分、ボールとの接点を前にしないと、と思い、バットを前に出しました」。7年連続3割をマークした技術が詰まっていた。

 わずか7球での先制点。26日の第2戦で能見から5球で1点を奪った場面の再現だ。1番柳田が1ボールから2球目を右翼線へ二塁打。直後、2番明石が1球で送りバントを決めた。速攻は、しっかりとした狙いがあるから実る。内川の先制打だけでなく、先頭打者の柳田の二塁打も藤浪のカットボールを捉えたもの。試合前に藤井打撃コーチは「交流戦のころよりカットボールを多く使っている」と、今季対戦のなかった藤浪を分析していた。ファーストストライクとカットボール。作戦がピタリとはまっての先制点だった。

 藤浪攻略の一打を放った内川は、道具への好奇心が旺盛。かつてはシーズンを通し30タイプほどバットをつくった年もある。だが、今季は“1本勝負”。「やっぱり自分で工場を回って決めたバットだから変えようと思わないですね」。昨年オフ、愛知・豊川市のバット工場を数年ぶりに訪問。改良型を発注した。重さ900グラム、長さ34インチは変わらないが、グリップ部分をやや太くし、ヘッドの先を水平に変更した。

 4回2死二、三塁では大和に安打性の中堅へのライナーを好捕され、思わず笑みがこぼれた。「あれを捕るんだ。スゲェ!

 子どものころ見てた日本シリーズの舞台に今立っているんだなと思い出した。こんな気持ちになるのは今回が初めて」。頂上決戦を心の底から楽しみながら一気にチームを3連勝、そして地元胴上げへと導いていく。【石橋隆雄】

 ▼内川が第2戦に続いて初回にV打となる先制適時打を放った。1シリーズで2試合連続V打点は11年第4戦、第5戦小久保(ソフトバンク)以来18人目のタイ記録で、ソフトバンクでは2人目だ。内川のように2試合連続「初回V打点」は58年第6戦、第7戦中西(西鉄)98年第1戦、第2戦鈴木尚(横浜)11年第4戦、第5戦小久保に次いで4人目になる。