緒方カープは原石発掘から本格始動だ。広島緒方孝市監督(45)率いる新チームの秋季キャンプが1日、宮崎・日南でスタートした。野手出身の指揮官はこれまで足を運ぶ機会がなかったブルペンを入念に視察。初日から前田ら参加全17投手が異例のアピール投球を展開したが、ホレ込んだのは2人の無名右腕だった。

 緒方監督

 デヘススはもっと暴れるかと思ったけど、構えた所にポンポン行くし、実戦で見てみたい。中村祐は指にかかるいい真っすぐがあって、今話題の縦カーブも使えて面白そう。

 ダニロ・デヘスス(27)はドミニカ共和国のカープアカデミーから来た2年目練習生。今季は実戦経験を積むため四国IL・高知に派遣され、先発&救援42試合で3勝3敗12セーブ、防御率2・06。196センチ、98キロのから繰り出す最速156キロは迫力十分だ。昨年一緒に来日したロサリオは秋のアピールが成功して支配下登録され、今季14本塁打の大ブレーク。もちろん期待は第2のロサリオだ。

 昨年、関東第一からドラフト5位で入団した中村祐太(19)の評価も高かった。1年目は2軍で2試合に登板しただけだが、日本シリーズでソフトバンク武田が阪神を封じた持ち球の縦カーブにぞっこんだ。ただし、ホメるだけではなかった。

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 1軍でチャンスをもらえなかった人の中には、やはりこんなものかと感じる投手もいた。いい競争をして目立って変わっていくところを見たい。

 全体練習は7時間に及んだ。24年ぶりVに若手の底上げは欠かせない。【松井清員】