日本ハムの秋季キャンプが今日2日、第1クール最終日を迎える。1日で4日目を終了。栗山英樹監督(53)は「貝になる」との宣言通り、通常のオープンな取材対応をシャットアウトしている。

 野球、来季のチームのことに関しては、赤裸々に語ろうとはしない。栗山監督はキャンプ4日目のこの日もリップサービスどころか、報道陣の取材を避けた。砂浜を歩きながら「いろいろあるんだよ」とは口にしたが、今キャンプの狙いについては“完全黙秘”を貫いたままだ。CSファイナルステージで敗退後「オレ、来年は勝ちにいくよ」と宣言した。具体的なプランを明かさずとも決意の一端が、野手の配置には、にじんでいる。

 キーマンとなるのは本来は二塁の中島、二塁か外野の西川。中島は遊撃、西川は三塁の守備練習に取り組んでいる。栗山監督に直撃し、真意に「潜入」した。「ハルキ(西川)が、はまったらおもしろいよね」。言葉はもちろん少ないが、狙いは見えた。キャンプだけの一過性だけではなく、来季のコンバートを見据えての措置。明るく、複雑なチーム事情が絡み合う。

 来季はレンジャーズ傘下3Aを自由契約となった田中賢介内野手(33)の復帰を見込む。本職の二塁のほか三塁、メジャーで経験した外野手としての起用も、視野に入れている。また外国人野手2人の補強を計画。DHは大谷のために空けることがベストで、守備もできる人材に狙い。最低でも一塁または左翼など外野の一角を任せられる助っ人がターゲットだ。

 本来は捕手だが、今季は主に三塁だった近藤はどう生かすのか。小谷野と大引のベテラン勢も同じ。両脚の不具合を見せた中田の一塁転向の可能性も十分にある。故障で今季を棒に振ったルーキー岡は右翼、1位渡辺も遊撃のレギュラー候補の1人とみている。栗山監督は「(来年)2月のキャンプまでは話さないよ」と笑うが、覚悟は見える。大シャッフルが起きる導火線はある。【高山通史】