日本ハム大谷翔平投手(20)が、来季の豪華コラボレートが期待される剛腕との競演を誓った。沖縄・国頭での秋季キャンプ第1クール最終日の2日。この日の早慶戦で好投した、ドラフト1位の早大・有原航平投手(4年=広陵)へラブコールを送った。「僕から聞いてみたいし、教えてもらいたい」などと刺激を受け、さらなる成長の糧にする意向。共闘での先発陣の底上げを宣言した。

 心躍らせていた。大谷は、無邪気にはしゃいでいた。キャンプ第1クールの最終日。南国・沖縄の陽光を浴び、スコールのような大雨に打たれた。野球教室の講師も務めた。5勤で疲労蓄積、ドタバタの1日に最後に聞いた朗報。来季からチームメートになる有原が、遠く離れた神宮での早慶戦で快投した知らせ。2歳年上だが「後輩」になる剛腕に、思いをはせた。

 大谷

 体が大きくて、球も強い。僕とはタイプは違うとは思うんですけれど。技術的には僕よりも上。僕から聞いてみたいし、教えてもらいたい。話してみたいなと思います。

 勝ち気な弱冠20歳は、大人びた視点で青写真を描いていた。自身は今季はチームトップの11勝をマーク。ほか上沢、中村、ルーキー浦野にメンドーサと、有原と同じ右腕が中心の先発陣だった。有原は最速156キロも変化球が多彩で、完成度は抜群。技巧派の一面も持つとされる。対照的に大谷は最速162キロで、未完の大器。「ローテーションの組み方とかバリエーションが出てくる」。戦力バランスを客観視して最高のパートナー、戦力になるとの思惑を明かした。

 謙虚な狙いもある。向上心旺盛だけに、強い関心も抱く。「大学で(ドラフト)競合するような選手ですし、技術とか体力とかで勉強するところもある」。来年1月の新人合同自主トレ先、2軍本拠地の鎌ケ谷で初対面する可能性が濃厚。高校、大学と名門でエースを張った帝王学をヒアリングし、成長促進剤にするとの意欲も見せた。

 栗山監督は「アイツ、監督みたいだね。でも、いいこと。本当に勝とうと思って、考えているだろうね」とほほ笑ましく、歓迎した。プロ、アマ両球界の最高ランクの本格派右腕。大谷が願う夢の合体が、来季目指すペナント奪回への推進力になる。【高山通史】