中日の球団納会が25日、名古屋市のホテルで行われ、球団関係者、選手ら約200人が参加した。

 白井文吾オーナー(86)が、FAの金子千尋投手(31)獲得を熱望した。アタックをかける金子について、球団納会のさなか、同じテーブルに座った落合GMに単刀直入にたずねた。「金子君はどうなりそう?」。落合GMからは「何とかとりたいのですが…」と慎重な返答だったようで「あまり進展してないみたい」と苦笑いした。オーナーが獲得希望を表明したのは初めてだった。

 この日、金子が右肘の手術を受けることが判明。中日にも情報は入っているとみられるが、複雑な状況下で去就問題がなかなか進展しないのも当然だった。

 それでもほしい存在であることに違いない。白井オーナーは「必要な選手だから何とか取ってほしい。相手があることだからどうなるかは分からないけど…。彼に会ったことはないけど、いい選手。日本一だよ」とべた褒め。強化ポイントである先発投手、しかも大黒柱となり得る右腕だけに言葉には熱がこもった。

 「来てくれるとありがたいけど、なかなか思うようにはいかない。本人にその気があれば来てくれると思うんだけどね」と状況の好転を期待した。

 このオフの補強に関して白井オーナーはシーズン終了後、落合GMや谷繁兼任監督に全面支援を約束している。契約年数など提示条件の詳細については「考えたことない」といい、落合GMらフロント陣に一任している。「日本一」と評した沢村賞右腕からの朗報を信じて待つのみだ。