打倒久保で絶好調返しだ!

 巨人阿部慎之助(35)が11月30日、新潟市内でチャリティー支援の少年野球教室とトークショーを開催。来季開幕戦で対戦するDeNA中畑監督が早々に久保を開幕投手に指名したことに、闘志をメラメラ燃やした。ファンの前で天敵を打ち砕き、キヨシの十八番の決めゼリフ「絶好調!」を言い返すことを宣言。一塁手転向で不退転の決意で臨む主砲が、先陣を切る。

 阿部の心は開幕前夜のように燃えていた。トークショーで来季開幕戦のDeNA戦に質問が及び、バトルの導火線が点火した。「新聞で見たけど、開幕投手は久保でしょう?

 うっとうしい(笑い)。0・9秒台のスーパークイックでは打者がタイミングを取れない。急に130キロのど真ん中を投げたり、内角の危ないところに投げてくる」。テンションが高まり、口撃がヒートアップした。

 最近、テレビ番組で中畑監督が5位ながら巨人戦に勝ち越したことを満足そうに話していたシーンを見て「悔しくて途中で消した」。さらに「燃えてきた。オレが絶好調と言い返す!」とお株を奪うことを宣戦布告した。

 今季、チームは久保に1勝3敗。過去10年では最多タイとなる5死球を浴びた。「やられっぱなしじゃダメと全員が思っている」。クイック対策を講じる。「全員がノーステップで打ったり。今年もステップを小さくしたりしたけどね。監督も思っているだろうけど、チーム単位でやる必要がある」と持論を説いた。

 天敵だが技量は認めている。打者の打ち気がなければ130キロ台の甘めの直球でカウントを稼ぎ、時には140キロ中盤の速球にギアチェンジする。「投手陣には『俺らは腹立つけど、投球術は見習うところがある』と言ってきた」。悔しいが、認めるしかない。

 一塁手転向の来季へ「来年、ダメだったらやめるぐらいの気持ち」と決意を示した。開幕戦が、不退転の1年の試金石となる。「絶好調に代わる言葉を探さないと。最高潮!

 かな?」。お立ち台から久保と中畑監督の耳に決めゼリフを届かせる。【広重竜太郎】