2015年、12球団最速のファーストスイングだ。巨人ドラフト1位岡本和真内野手(18=智弁学園)が4日、奈良の母校・智弁学園で自主トレを公開し、年越しの瞬間に素振りをしていたことを明かした。リーグ4連覇を狙うチームに飛び込む覚悟と自覚はバッチリで、体調面を考えて毎年恒例の初詣は封印し、トレーニングに励んだ。年明けから休みなしで練習を行っており、戦闘態勢を万全に保ち、6日の入寮に備える。

 3!・2!・1!「A

 HAPPY

 NEW

 YEAR!」。世間が新年へのカウントダウンでお祭りムードの中、岡本は両腕に力を込めて、フルスイングした。2014年が終わる30分前、自宅のリビングでテレビを見ていたが、立ち上がりバットを握りしめた。「1発目にいいスイングができるように、アップしてました」。ベストコンディションへ持っていくために30分間アップする。そして午前0時0分。「ボーン」という除夜の鐘と同時に、全身全霊でスイングした。年越しの瞬間の一振りは、12球団の誰よりも早い始動といって間違いない。

 ただ「力んで自分のスイングができませんでした」と満足のスイングができず、苦笑い。プラス思考の18歳は「打席では1スイングじゃない。2、3スイングで決めればいいと思った」とひらめき、1打席勝負に気持ちをスイッチ。力んだ初球はファウルと認定。「2、3スイング目は自分の思うように、振れました」と納得の表情で振り返る。脳内では、プロ第1号のアーチを、外野スタンドにたたき込んだ。

 豪快なスイングで、ウイルスを振りはらった。昨年、一昨年の正月は初詣に行った後にノロウイルスに苦しんだ。今年こそ感染を防ぐため、毎年恒例の初詣には行かず、自宅周辺でトレーニングし、それ以外は自宅にこもった。「親と友達が僕の分まで、お参りしてくれたので。お守りももらったし」と対策。さらに「おせち料理がノロウイルスの原因かもしれないので」とおせち料理も封印と、日本の伝統を無視。年末年始の気分は、年越しソバだけにし、体調管理を徹底した。正月からは無休で練習し、この日もランニング、キャッチボール、ティー打撃を行った。

 12球団最速のファーストスイングによって“無病息災スタート”に成功した。今年の目標は「けがをしないこと」。岡本の頭の中では、除夜の鐘とともに初本塁打は放っている。そのイメージを、後は実行するのみだ。【細江純平】<巨人選手の正月と始動>

 ◆長嶋茂雄終身名誉監督

 現役時代から第1次監督時代まで、大みそかに成田山新勝寺へ参拝するのが恒例行事だった。

 ◆内海

 プロ1年目のオフから、故郷・京都府内の河川敷やグラウンドで元日トレーニングを行うのが恒例。大みそかも練習を行う。

 ◆長野

 09年ドラフト1位で入団。社会人チームのホンダのスローガンが「一への執着」だったことから、午前11時11分11秒にグラウンド入りし、プロ1年目をスタート。

 ◆小林

 13年ドラフト1位のイケメン捕手は14年1月1日の午前0時30分、寒さの中、半袖で100スイングした。