とにかく抜けよ!
中日谷繁元信兼任監督(44)が6日、横浜市で自主トレを公開した。2年連続Bクラスからの脱却へ、今年も「選手・谷繁」の起用法がカギになる。27年目の大ベテランは若手との競争に自信を見せ、トップに立つ意味の「無上」を今季のテーマとした。レギュラーには固執するが、その上で後輩捕手には世代交代を強く求めた。
史上に残る名捕手の、心の叫びかもしれない。
「全てにおいて早く抜いてほしい。とにかく抜けよ!
って思うね」
スタメン表に名前を書き込むのは自分だから後輩に禅譲するのは簡単だ。しかし現実はどうか。世代交代して優勝できるのか…。「そりゃ葛藤はありますよ」。兼任監督にしか分からない悩みを打ち明けた。
色紙には今季の意気込みとして「無上」と書き込んだ。以前から好む言葉で「とにかく上を目指すということです」と説明した。早く正捕手の座から引きずり下ろしてほしいのが本音だが、レベルの落ちた自分を“追い越した”ところでチーム力の上積みにはならない。今はただ、自身のトップフォームを維持した上で、後輩たちの著しい成長を求めるばかりだ。
「(4位の)昨年より1つでも2つでも3つでも上に行きたい。勝つために確率がいい方を選ぶ。(後輩が)飛躍的に伸びたら全然出ないかもしれない」
昨年は91試合出場でチームの捕手トップ。このオフは狙っていた西武炭谷がFA宣言せずに残留。昨季67試合の松井雅、強肩の桂らが成長途上だが、1年間マスクを預けるだけの信頼がないのは“飛躍的”という言葉に表れた。
今冬はキャンプに向けてスタミナを蓄え、キャンプではシーズン6カ月に備えてスタミナを蓄積するという計画。「40歳ごろから練習量を変えずにできている。スピードとかは変化があると思うけど。“監督”にまだまだいけると思わせる準備をしたいね」と体力面の自信ものぞかせた。
あと27試合で野村克也の出場記録3017試合を抜く。「記録を達成したからといって、あとは任せようという気持ちはありません」。節目の大記録も、起用方針には影響しない。
「とにかく勝って、ファンの皆さんを楽しませたい」。2年連続Bクラスからの脱却が重大使命。兼任監督2年目は昨年以上に多くの矛盾や課題にさらされる。それでも「無上」を目指して全力で突っ走る決意だけはブレない。【柏原誠】



