日本ハムの新キャプテン、宮西尚生投手(29)が投打を束ねる“二刀流”リーダーへ研さんを積む。6日、兵庫・尼崎市内にある母校の市尼崎で自主トレを公開した。今季からチームのまとめ役となる主将に就任。投手陣の扱いは慣れているが野手陣は未知数で、不安解消には野手心理の理解が急務と判断。適切な助言を送るため、飯山や田中ら先輩野手に弟子入りして勉強する考えを明かした。

 チームのために、未開拓分野に取り組む。新年早々、宮西は新主将として臨むシーズンへ不安を抱いていた。「野手の気持ちが分からない」。昨季まで投手陣のリーダー役は担ってきた。今回は全体の精神的支柱となる未知の役割。プラスアルファで何が必要か。自問自答するうちに不安が浮き彫りになった。「自分が、どんどん勉強しないといけない」と野手心理の理解の必要性を感じていた。

 投打の垣根を越えた大黒柱へ、自己改革を行う。小学3年から投手一筋。豊富な経験値から繰り出される適切な助言で、悩む若手投手を救ってきた。一方で若手野手へのアドバイスは皆無に等しかった。「(野手として)守ったこともないし、タコった(凡打を繰り返した)こともない」。これまでは専門外で興味も示さなかったフィールド。立場が変わり、意識も変えていくつもりだ。

 信頼する先輩へ弟子入りして野手の感性を磨く。教えを請うのは飯山と田中の30代野手コンビだ。「野手がミスした時とかに何を言ってあげたらいいか分からない。その辺の気持ちとかを教えてもらえると思う」。長年、第一線を張り続ける2人から積極的に取材する方針。声をかけるタイミングなどを探って助言の引き出しを増やす狙いだ。

 この日は、母校の市尼崎で自主トレを公開。今オフは昨季終盤に疲労骨折した左すねの影響もありスロー調整。3日には捕手を立たせて10球ほど投げたが、本格投球は「(春季キャンプの)第3クールくらいで」とじっくり行く構え。6月には三十路(みそじ)を迎える。「個人よりチームの優勝。そういう年頃になってきた」。3年ぶりのリーグ制覇へ、投打の“二刀流”リーダーとして献身的に引っぱる。【木下大輔】