日本ハム中田翔内野手(25)が異例の47日間のブランクを経て本格練習を再開した。7日、兵庫・西宮市内のグラウンドで阪神西岡らと合同自主トレを開始した。昨季終了後は昨年11月20日まで日米野球に参加。年末まではイベントやテレビ出演などで多忙を極めた。ウエートトレーニングは継続してきたが、バットやボールを使った練習は今オフ初。「感触もクソもない」と苦笑いも、3年ぶりのリーグ制覇へ主砲が動きだした。

 やや照れくさそうに中田がグラウンドへ現れた。真っ赤な内野手用グラブを左手に装着してのキャッチボール。1球ごとに右肩をグルグル回して筋肉をほぐした。母校・大阪桐蔭の先輩、西岡と組んだティー打撃も丁寧にスイングを繰り返した。「本当に今日からですね」。本格練習は今オフ初。野球教室やイベントで軽く打ったり投げたりはしてきたが目的が違う。真剣勝負を繰り広げた昨年11月の日米野球以来の“本業”に「感触もクソもない。まだ体が鈍いですよ」。まずは約1カ月半ぶりの感覚を体に呼び起こした。

 人気者ならではの多忙なオフを過ごしてきた。「今年は多かったね」と北海道の地方番組を含めてテレビ出演は11番組に上った。トークショーなどにも可能な限り参加。チームの顔として積極的に露出した。昨季はチームでただ1人、全試合出場。下半身に不安を抱えながら1年間を全うした肉体をいたわる時間も必要だった。結果的に「(プロ入り後)初めて」と、技術練習は大きな空白期間ができた。

 慌ただしいスケジュールの中で、ウエートトレーニングだけは継続してきた。年末年始に故郷の広島に帰省した際も地元のジムに通って筋力強化に励んだ。「(肉体を)追い込むことは出来たし、体重も変わらない。100キロくらいかな」とコンディションはキープ。ここからやるべきことも明確にイメージできている。「(合同自主トレで)走ったり、体幹(トレーニング)は去年以上にやりたい。でも一番は、バットを多く振っていきたいね」と青写真を描く。

 きっちりと心身ともに新たなシーズンへ切り替えた。目指すはチームの3年ぶりリーグ制覇に9年ぶりの日本一のみ。昨季は自身初タイトルとなる打点王を獲得したが、目標達成のために個人的な欲は捨てる。「すべてで1番になりたいけど、(目標の)数字は頭に置かない。邪魔な考えになるだけ」と勝利だけを追求すると決めている。長期ブランクにも焦りはない。「キャンプに入る前に、みっちり体を動かしたいね」。日本の、チームの主砲が満を持して始動した。【木下大輔】<中田過去の合同自主トレ>

 ◆12年

 阪神金本との合同トレ後、1月7日にツインズ西岡らと開始。お笑いタレント「たむけん」こと、たむらけんじの激励を受けた。焼き肉店やカレー店を経営するたむらから「最低30本」とノルマを課され、達成すればグループ店一生タダの褒美を用意された。シーズン本塁打は24本。

 ◆13年

 阪神西岡らとの合同練習公開日の1月7日、黄金色の丸刈りで登場。引退した松井秀喜氏を引き合いに「松井さんは雲の上の存在。プレースタイルとか近づきたいし、追い抜きたい」。松井氏=ゴジラで親しまれることに対して、愛称のないことに「ん?

 ジャイアン」と例えた。

 ◆14年

 公開日の1月8日、究極の目標として「盗塁ゼロ」を宣言。「盗塁しないでいいくらい、打ちまくりたい。自分は長打力を求められている」と鼓舞した。27本塁打、リーグ打点王に輝き、盗塁は4シーズンぶりにゼロ。