DeNAが守護神候補として昨季は米大リーグ、エンゼルスでプレーしたヨスラン・ヘレラ投手(33)の獲得に乗り出していることが8日、分かった。創設4年目のDeNAは今季、「導」をチームスローガンに、今まで以上に結果を追求する方針を掲げている。ここまでは勝負を締めくくる絶対的な守護神不在が続いたDeNAが、メジャー右腕に白羽の矢を立てた。

 勝利に導くための最終アンカー候補をヘレラに絞った。昨季は米エンゼルスでプレーしたキューバ出身のメジャー右腕は、150キロ台後半の直球に、鋭く落ちるスプリットを武器に持つ本格派だ。複数の日米球界関係者の話を統合すると、すでにヘレラ側との本格的な獲得交渉に入っており、細かい条件面などがクリアできれば、近日中にも正式発表される見込みだという。

 就任4年目を迎えた中畑監督が「集大成の年」と位置づける今季の必勝パターンが見えてきた。1年目の12年は山口、13年は山口とソーサ、昨季は三上、国吉らをクローザーに据えたが、完全に固定するには至らず、苦戦が続いた。常々「抑えは重要なところ。そこをしっかりと作れれば、もっといい戦いができる」と話していた補強ポイントの強化にメドが立った。

 さらに、クローザーへとつなぐセットアッパー陣も整った。左腕はソフトバンクから経験豊富な岡島を獲得し、国内FA権を取得した林も残留。右腕も三上、国吉にドラフト1位の山崎康晃(22=亜大)も加わり、より強固な中継ぎリレーが可能になる。

 残留が確実なグリエルら助っ人は、ヘレラを含め総勢6人になる。外国人同士の1軍登録枠争いからもチーム力を上げる相乗効果が期待できる。5日の球団仕事始めで中畑監督は「3年間でフロントのバックアップもあり、戦力アップは多分にある。額面通りにいけば目指す順位に到達できる」と自信をみなぎらせた。DeNAが快進撃への準備を着々と進めている。

 ◆ヨスラン・ヘレラ

 1981年4月28日生まれ、キューバ出身。05年に亡命し、FA扱いとなって06年12月にパイレーツと契約。08年7月のカージナルス戦でメジャーデビューした。09年シーズン後にパ軍から放出され、10年はツインズの傘下マイナー3Aでプレー。13年12月にエンゼルスとマイナー契約を結び、14年は4月にメジャー昇格して20試合に救援登板。1勝1敗、防御率2・70の成績を残した。メジャー通算25試合で2勝2敗0セーブ、防御率6・43。188センチ、91キロ。右投げ右打ち。