日本ハムのドラフト1位有原航平投手(22=早大)が、「別メニュー」発進で、開幕1軍へ照準を合わせた。10日、千葉・鎌ケ谷で新人合同自主トレがスタート。右肘痛の影響を考慮してキャッチボールではトレーナー相手に塁間ほどの約30メートルの距離に留める、慎重な始動になった。ルーキーイヤーの開幕から力を発揮するため、焦らず着実にプロの道を歩む。

 注目を一身に集めた。新人合同自主トレ初日。キャッチボールが始まると、有原はトレーナーを相手にボールを投げた。チームメートが10メートル、20メートルと距離を延ばす中、1人だけ塁間ほどの約30メートルの距離を保ったまま。時折、福田リハビリ担当チーフトレーナーと右肘の動きをチェックした。「投げたい気持ちもあるけど、ベストな形で投げたほうが良い」。右肘痛を考慮した慎重な始動を、有原自ら説明した。

 先を見据えて、万全を期す。スロー調整は入団前から球団側と打ち合わせ済み。2月からの沖縄キャンプも2軍スタートが予定されている。順調にいけば、同15日に国頭で行われる紅白戦で実戦デビューする。視察した栗山監督は「ボールを投げるのに怖がるかなと思ったんだけど、良いときを見ているので大丈夫そうだった」、厚沢投手コーチは「雰囲気は十分、感じられる」と評価した。

 新たな環境でのスタートは、力になった。多くの報道陣や首脳陣が見つめる独特の雰囲気。栗山監督からは「体に気をつけて頑張ってくれ」と激励を受けた。初めてのプロの練習メニューに「(ウォーミング)アップ1つにしても、意識するだけで全然違う形になる。もっと意識を高く持っていきたい」と刺激を受け、新しい発見の連続に笑顔が絶えなかった。

 入寮から一夜明けた9日にも軽めのキャッチボールを行い、連投も「問題ない」。練習後にはトレーナーと話し合い、今後の練習のペース配分などを確認した。「これから徐々に距離を縮めていきたい」と前向きに進めていく。目標に掲げる開幕1軍ローテーション入りへ、万全な状態に整えていく。【田中彩友美】