新天地初日を32回目の誕生日で迎えた。マイク・ザガースキー投手(ブルージェイズ3A)ら広島の新外国人3選手が27日、来日した。183センチ、109キロの大型左腕は、手薄な中継ぎ陣の戦力として期待される。贈られたバースデーケーキとともに、セ・リーグの強打者たちをペロッと丸飲みするつもりだ。

 100キロを超える大柄な体格から威圧感は感じられなかった。米国アトランタをたち、成田を経由した長旅にも、ジーンズにビーチサンダルという季節感を感じさせない格好。ぽっこりとおなかが膨らんだ長袖のシャツも、ひじまでまくっていた。ぽっちゃり体形の左腕には、親しみやすさが漂っていた。

 日本球界ではあまりいないタイプだ。「米国でもこのサイズはむしろ大きい方。ただ、このスタイルが自分に合っている」。過去に減量に取り組んだこともあったが、投球にプラスに働くことはなかった。試行錯誤する中で、今のスタイルが最善だと考える。

 「アグレッシブにストライクを取りにいく。ここ数年よりアグレッシブに、自分有利のカウントを作ることができている。昨季もかなりの三振を取れた」

 昨季はブルージェイズ傘下など3Aで46試合60回2/3を投げ、83奪三振。日本球界でも当然、スタイルを変えるつもりはない。すでに米国でウエートトレーニングだけでなく、5回程度ブルペンでの投球を行ってきた。体重は109キロだが、助っ人左腕にとってはベスト体重だ。

 日本に到着した日は、自身32回目の誕生日。関係者から贈られたバースデーケーキを「好きですか?」と問われると目尻を下げて「オフコース(もちろん)」とうれしそうに答えた。ただシーズンの目標を聞かれ、表情は一変した。

 「新しい国で野球のキャリアを始められることをうれしく思う。チームの勝利に貢献したい。個人の目標はシーズンが終わってからでいい」

 マウンド上では打者に立ち向かっていくファイターとなる。大きな背中にカープファンの夢を乗せ、Vの使者になる。【前原淳】

 ◆マイク・ザガースキー

 1983年1月27日、米国ネブラスカ州生まれ。150キロを超えるストレートと多彩な変化球を駆使した攻めの投球が持ち味。四球で崩れるタイプではなく、三振を奪える。手薄な左の中継ぎとして期待される。年俸は4250万円。183センチ、109キロ。左投げ左打ち。