ソフトバンク工藤公康監督(51)が「ランチ抜き」で熱く発進した。1日は午前9時前に球場入り。ファンに背番号「81」を初披露するや、休みなく動きまくった。ブルペンで投手陣に熱視線を送り、サブグラウンドの12分走をチェック。メーン球場で特打を見て、最後は室内練習場で居残り練習する若手とコミュニケーションを取った。昼食を食べないまま午後6時に球場を後にした。「ご飯を食べないと死ぬわけじゃない。これからも動くよ」と事もなげに言った。

 初日から飛ばした指揮官だが、投手陣にはブレーキをかけた。松坂、バンデンハークの加入で先発争いは激化。初日から松坂とスタンリッジをのぞく全投手がブルペンで投球練習を行った。監督へのアピールもあり、自然と力が入る。この光景に、思わず指示を出した。「みんな、飛ばしていると感じた。ブルペンでアピールするのもあるだろうが、実戦でいい結果を出してほしい。球数を抑えるように言った」。この状況が2日目以降も続くことを危惧(きぐ)した。

 とは言え、熱いキャンプは歓迎だ。ケガ予防を重要視し、ウオームアップに80分の時間を割いた。「あっという間だったな」。空腹を感じることなく、工藤イズムを注入した。【田口真一郎】