「工藤の壁」で寺原再生だ!

 ソフトバンク工藤公康監督(51)が2日、B組のブルペンをチェック。投球練習中の寺原隼人投手(31)に近づいた。右斜め前方に立ち、じっと見つめる。窮屈そうに右腕は投球を続けた。

 寺原

 体が開き、シュート回転するところがあった。前に立ってもらうことで、右足に体重も乗るし(顔の近くに)投げられる。ボールが良くなった。

 指揮官が自ら壁になって、悪癖の矯正に動いた。体が前に突っ込まず、腕の振りが顔の近くを通れば、球により力が入る。この日はブルペンで初の本格投球。工藤監督から指導を受けて、表情は晴れやかだった。

 寺原

 身になる感覚があった。しっかりとしたフォームなら、膝の負担が少なくなる。負担があったから、膝にきていた。

 昨年5月に右膝を手術。シーズンの大半を棒に振り、1勝止まりに終わった。年俸もほぼ半減(推定4500万円)し、厳しい1年になった。再起をかけた初ブルペンでは、61球を投げ、9割が直球だった。「これからスタートしたという感じ。続けていきたい」。工藤監督のサポートを得て、復活への道をじっくりと歩む。【田口真一郎】