たった1人のブルペンで、ソフトバンク左腕山田大樹投手(26)が3日、黙々と投球練習を行った。当初は60球を予定していたが、終わる気配がない。ミットの音だけが響いた。「こんなに投げる予定じゃなかったんですが…」。佐藤投手コーチが見つめる中、球数は160球を数えた。「今日は初めからよかったので、予定よりも100球も投げちゃいました。キャンプでは今後も投げ込みたいと思っていたので」と充実感を漂わせた。

 12年に8勝を挙げ、ブレークした左腕もその後は低迷。昨年は未勝利に終わった。秋季キャンプには工藤監督から直接指導を受け、再浮上を期待される投手の1人だ。「僕は“静男”ですが、スローガンが熱男なので、熱男にならないといけませんね」。この日の熱投は、静男からの変身を感じさせた。