右肘痛を抱える日本ハムのドラフト1位有原航平投手(22=早大)が“ブルペン入り”した。4日に沖縄・国頭で行われている2軍キャンプ恒例のネットスローで、初めて傾斜のあるマウンドから力強い球を投げた。視察に訪れた栗山英樹監督(53)と、早大OB小宮山悟氏(49=日刊スポーツ評論家)から激励を受けて発奮。順調なら8日に捕手を立たせてブルペンで本格投球を解禁する。

 大きな前進だった。有原は雨上がりのブルペンに入った。キャンプ初日から恒例のネットスローも、この日は違った。中垣トレーニングコーチの「じゃあ傾斜を使ってみよう」との指示で、いつもの平地ではなく、傾斜のあるマウンドを踏んだ。福田リハビリ担当チーフトレーナー、伊藤2軍総合コーチ兼投手コーチに見守られ、緊迫した空気が流れていた。

 捕手ではなくネット相手ながら、初めてマウンドから投げた。有原は「(力加減は)4割くらい。ある程度、ステップアップ出来たかな」と、明るい兆しを実感していた。別メニューで第1クールを終えたが、着実な成果が表れていた。

 相次いだ激励の言葉が力になった。昨季まで早大の特別コーチとして投球指導していた小宮山氏が訪問。「しっかり走って、ケガなくやれ」と熱く背中を押された。2軍の視察に訪れた栗山監督からは「慌てるな。ペースを落としていい」と継続しているスロー調整に念を押されたという。

 立ちはだかっていた壁を乗り越える。順調なら8日にも捕手を立たせてブルペン入りする予定。「しっかり力強い球を投げられるように、やっていきたい」。4球団が競合した確かな実力を、披露するときが迫っている。【田中彩友美】