あるぞ開幕1軍!

 広島ドラフト6位飯田哲矢投手(23=JR東日本)が5日、宮崎・日南市天福球場での春季キャンプでフリー打撃に登板。出所の見にくい米大リーグ・カブス和田流のフォームで結果を残した。決め球チェンジアップも有効に決まるなど評価急上昇。ロングリリーフ要員として、開幕1軍も見えてきた。

 打者は腕が突然出てくる感覚に襲われる。飯田の直球は見た目以上に、速かった。フリー打撃で右打者3人と対戦。計33球を投じ、安打性の当たりは4本だった。さらに押し込んで奪ったファウルが8球。凡打のほとんども、差し込んで右方向に飛んだもの。カブス和田を参考にした「体でボールを隠すフォーム」。即戦力左腕の名にふさわしい上々のデビューを飾った。

 「力まずベース上に投げようと思っていました。フリー打撃ですけど、やっぱり打たれたくなかった。ファウルも取れたのでよかったです」

 決め球でも評価を上げた。19球目、20球目に投じたチェンジアップだ。1球目はボールだったが、2球目で打者鈴木将は泳がされ、三塁方向へのボテボテのファウルとなった。「体の2メートル後ろで離すイメージ」のボールは同じ腕の振りのまま、沈んでいく。昨年11月に本格的に投げ始めたばかりだが、左打者にも投じられる最大の武器となった。

 目標の開幕1軍も現実味を帯びてきた。畝投手コーチは開幕直後は抑えを除く中継ぎ陣を7人にするプランを温める。「2、3イニングいける選手を2人。右も左もいけるとなったら、飯田も可能性は十分ある」。中継ぎ左腕として加入した新外国人ザガースキーが負傷。離脱が長引く可能性もあるだけに、7日から始まる第2クールでの実戦で結果を残せば、飯田の夢は広がっていく。ドラフト最下位指名から、下克上を狙う。【池本泰尚】