ソフトバンク東浜巨投手(24)が血染めの投球練習で躍進の手応えをつかんだ。6日、ブルペンで87球を投げて引き揚げると、右手薬指が血で赤く染まっていた。「親指で引っかいてしまうんです。良い時はこうなる。指にボールがかかっている」。実はしっかりとボールに力が伝わるバロメーター。甲子園優勝投手がプロ入り前からの特徴で「えぐれるのは慣れているので」と痛みも感じない。

 12年のドラフト1位も、2年間で合計5勝。プロ3年目の今年は勝負の年だ。吉兆が出たのは、2人の指導者によるところが大きい。工藤監督と佐藤投手コーチから、下半身の使い方や体の開きに関して、アドバイスを受けた。「コースにまとまりだして、ボールが強くなった」と東浜も変化を実感している。

 今日7日に打撃投手に登板する予定。二保や巽ら若手6投手が選ばれ、その中に東浜の名前もある。工藤監督は「打たせようという気持ちではなく、自分のボールの行き具合、球威、コントロールなどちゃんとした球でアピールしてほしい」と投手陣のサバイバルに号砲。11日が初戦の紅白戦につながる。「真っすぐの質を試してみたい。アピールはあくまで実戦。そのための準備にしたい」と東浜は言う。血染めの投球を続ければ、開幕1軍が近づいてくる。【田口真一郎】