若手のアピール不足を嘆く虎党の皆さま、2軍の安芸キャンプからは朗報です。2年目の横田慎太郎外野手(19)が1番センターで先発した西武2軍との練習試合で3安打の大暴れ。右翼フェンス直撃の三塁打など期待感膨らむ内容に掛布DCも合格点を与えた。1軍昇格が検討される2月28日の練習試合オリックス戦(安芸)が楽しみになってきた。

 パワフルな一撃だった。6回、横田のバットがうなった。西武の2年目右腕・山口が投じた7球目、143キロ直球に力負けしない。打球は右翼手の頭上をグングンと越え、フェンス直撃の三塁打。「ちょっと差し込まれて詰まった感じ。無意識なんで、たぶん内側」。あともう少しで本塁打の当たりが、会心ではなかったと言うから恐ろしい。

 8回は、右前に強烈なラインドライブの適時打。右翼手駒月がワンバウンドを抑え切れずに後逸し、快足を飛ばして三塁へ。初回の遊撃内野安打と合わせ3安打。2軍とはいえ、今季初の対外試合で当然のように結果を出してみせた。

 掛布DCは「まだ投手との間がつかめていない。疲れもあるし、これからです」と期待が高いからこそ、あえて課題も示す。「試合の中で彼が納得する形で結果が出てくれば、28日(1軍)のゲームに参加できるように持っていけるようになる。今の出来では合格点。1番で3出塁なら十分」。キャンプはこのまま2軍で鍛え、28日オリックス戦での1軍デビューにつなげたい考えだ。

 鹿児島実から入団して2年目。背番号24を背負う期待株だが、19歳の素顔は周囲を和ませるキャラのようだ。古屋2軍監督は常々、横田について「(人の)話を聞いているんだかわからないけど、あいつといると楽しいんだよ」と目を細める。もちろん「野球に関してはまじめに取り組んでいる」。

 今年の2軍戦では1番打者として英才教育する方針だ。横田は「1回の内野安打の方がおもしろかった。ああいうのをしていれば打率も上がる。最初に真っすぐがどんどん来るんで(1番打者は)楽しいです」と意識も高い。初回は盗塁を狙って好スタートを切り、遊ゴロでの併殺を防ぎ、1死二塁として大量点につなげていった。「次の塁もどんどん狙っていきたい」と貪欲だ。「上で見てもらえるように結果を出すしかない、1試合で2本くらい打っていければいいな、と思ってます」。安芸からの快音が、沖縄組の刺激になるかもしれない。