ソフトバンク松坂大輔投手(34=メッツ)が14日、宮崎キャンプ初の打撃投手を務め、貫禄を見せつけた。左打者2人に対し計48球。うち変化球は35球。安打性の当たりは7本で左打者の内角スライダーでバットを折るシーンもあった。仕上がりは順調で、西武時代や米国時代とは違う新たな投球スタイルを確立し、9年ぶりとなる日本でのシーズンに挑む。

 松坂がキャンプ地を訪れた3万1800人のファンの前で、あいさつ代わりの快投だ。今キャンプ初の打撃投手として左打者の高田、牧原と対戦。昨秋21Uワールド杯でヤング侍の主将を務めた期待の牧原に対し、内角への鋭いスライダーでバットに亀裂を入れた。

 「スライダーは曲がり方が(米国時代と)完全に違う。打者の近くで曲がっていると思う。全体的に思っていたところに投げられた。進み具合は順調です」

 球種を分かっていながら打ち損じた牧原が「キレがあって大きく曲がった。ボールが重かった。あまり見たことがないボールだった」と脱帽したほど。この日は計48球を投げ、ヒット性の当たりは7本。「直球も(2月中旬ながら)140キロちょっと出ていた」(牧原)といい、次々と凡打の山を築いた。

 9年ぶりの日本球界復帰。ベテランの域に達し、直球とスライダーで押した西武時代や、フォームが変わったメジャー時代とは違う、新たな投球スタイルとフォームを模索中だ。

 この日は48球中35球が変化球。ストレートのほか、カーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ、シュートと全球種を試投。「向こう(米国)とこっち(日本)で打者の変化球に対する反応が明らかに違うので、ボールの使い方も変わってくる」と、日本に適した投球術を確立する必要性を口にした。

 特に、米国では左打者の内角に投げるシュートが有効だが、日本では違うという。「外に沈む方が引っ掛けてくれる。(球種とコースの)組み合わせをうまく使っていきたい」と、青写真を描く。

 今後は数回の打撃投手を経て、オープン戦に登板する。「疲れたのは第1クールだけ。その後は気持ちよくやっている。仕上がりは6割くらい。今のペースを崩さず、(調子が)上がってくる段階で開幕を迎えたい」。今の年齢と日本の打者に適した“脱怪物スタイル”が確立されれば、新たな魅力ある投球が披露されるはずだ。【福岡吉央】