ジョーが矢吹ジョーになる?

 復活を目指す阪神城島健司捕手(35)が24日、兵庫・西宮市の球団事務所で契約交渉に臨み、4年契約の3年目になる来季も現状維持の年俸4億円でサイン。8月に左膝の再手術を受けたジョーは「捕手で144試合」を目標に挙げ、膝への負担を考慮した減量プランを進めていることを明かした。(金額は推定)

 城島のほおはまた少しこけて見えた。腹をすかせたオオカミか、試合を控えたボクサーのように目はギラギラ。会見場に緊張感が漂った。何度も口をついたのは野球への飢餓感。「捕手として144試合出場」と目標を掲げ、そのためのスリム化計画も明かした。

 「膝の故障もあるし、ベスト体重がどこか、ベストを考えながら色々とチャレンジしていきたい。膝を2回手術しているので、昨年までのベスト体重じゃない方がいいのかな、と。まだ分からないが、試しているところです」

 体重増は当然ながら膝にとって大敵になる。ただでさえ膝に負担がかかる捕手というポジション。1年間を100%の状態で戦い抜くため、適切な体重を模索しているようだ。

 「12月中にプレーできる状態にしないといけない。動けることを証明しないと。2月1日に体をいじめられる状態にもっていく。開幕にゆっくり合わせます、ではこの年齢まで野球をやっていない」

 リハビリ過程の城島にオフはない。ハイペースで練習を重ねる中で、体重コントロールにも真剣に取り組んでいる。

 「野球選手は野球をしないとダメ。鳴尾浜でのリハビリは長かった。体が動かないもどかしさは十分感じた。その気持ちが熱いうちにゲームに出たい。夏以降はユニホームも着ていないし、つくづく野球をしたいと思った」

 出場機会を求めて5年ぶりに日本球界に復帰した10年シーズン。そのオフに左膝半月板を手術。2年目の今季は左膝、右肘の状態が悪く38試合出場でリタイア。8月に膝の再手術を受けた。逆戻りのリハビリ生活を悶々と過ごした。

 その間、穴を埋めた藤井彰が活躍。自身の離脱後にチームが浮上した。来年は藤井彰と一騎打ちの正捕手争いが待つ。城島は全144試合に「捕手として」出場することだけしか考えていなかった。

 「僕は捕手ですから。そのつもりでいる」

 研ぎ澄まされた体でリングに上がる。飢える男のKO宣言だった。【柏原誠】