日本ハム武田勝投手(33)が、来季の開幕投手に名乗りを上げた。13日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、3500万円アップの年俸1億7000万円(金額は推定)で、ほか7選手と同様に一発サイン。左腕エースは「やるからには、そこ(開幕戦)を目指していきたい」と目標に掲げた。

 8日にダルビッシュ有投手(25)がポスティングシステム(入札制度)を行使し、メジャー移籍を目指すことを表明。5年連続で開幕投手を務めた大黒柱が去る可能性がある。この日の契約更改で、ダルビッシュが来季抜ければ、先発陣では最高年俸となることが確実。「(ダルビッシュが移籍なら)穴埋めは大変だし難しい。新しい力もプラスアルファして、その中で先発の代表としてがんばっていきたい」。視線は12年開幕の3月30日西武戦(札幌ドーム)を見据えている。

 3年連続2ケタ勝利など、実績は十分。「いろいろ経験してきましたので」と、苦い思いもたくさんしてきた。今季は4月27日ソフトバンク戦(札幌ドーム)から5月23日横浜戦(横浜)まで5連敗。味方の援護なく、チームは5戦連続完封負けという不運にも「我慢強く辛抱して、調子を維持し続けることが大事と分かりました」と教訓を得た。

 来年1月には、社会人のシダックス時代に汗を流した静岡・中伊豆で自主トレを行う。「(体が)強かった時期を思い出して、原点に戻れれば」。今季は左肘の不安や体調不良もあったが、万全の状態にして、来年2月の沖縄・名護キャンプで最初からアピールするつもりだ。「これまでは無縁だと思ってた」という大舞台を本気で目指す。【木下大輔】

 ◆日本ハムの先発投手事情

 ポスティングシステムを利用するダルビッシュがメジャー移籍すると仮定すると、現時点での開幕投手候補は武田勝を筆頭に、今季先発ローテーションに入っていたケッペル、ウルフ、斎藤の名前が真っ先に挙がる。今季の勝ち星ではケッペルの14勝がこの4人では最多だが、防御率(2・46)はリーグ8位だった武田勝がトップ。ルーキーで6勝した斎藤の期待度も大きい。