ダル級評価でエースの自覚!

 ソフトバンク摂津正投手(29)が19日、福岡市内の球団事務所で代理人を伴って契約交渉を行った。昨年から2倍となる9500万円増の1億9000万円で更改。4年目ではダルビッシュに次ぐ史上2番目の高額で楽天田中の1億8000万円を上回った。今季は新エースとして開幕投手を狙うことも宣言した。(金額は推定)

 摂津が「球界のエース級」の評価を受け、大幅アップを勝ち取った。越年して臨んだ初交渉で2倍増の1億9000万円でサイン。「評価していただき感謝している。考える時間を与えていただいたことにも感謝したい」。その表情は自信に満ち、右のエースから真のエースとなることも誓った。

 「投手陣を引っ張りたい。開幕投手をやってみたい気持ちはあります。昨年の14勝以上の成績は残したい」

 4年目の年俸1億9000万円は、ダルビッシュの2億円に次ぐ史上2番目の高額。楽天田中の1億8000万円を上回る高評価だ。中継ぎから先発へ配置転換したことも考慮され「転向査定」が組み込まれた形となった。2年目までは中継ぎとしてフル回転。昨季は先発でいきなり14勝をマークした。石渡編成育成部長は「目に見えない部分も評価しないと。制球がいいので、防御率(2・79)以上の安定感があった」と高評価した。

 杉内、和田、ホールトンが退団した今季は新エースとしての期待がかかる。普段は決して大きなことは言わない、控えめな男が大幅アップに応えるべく、開幕投手宣言で意欲を示した。

 「昨年は自主トレの時は先発の練習はしていなかった。今回は十分な準備をする。いい形で練習ができています。目標はやはり日本一になることですね」

 今オフは徹底した走り込みで先発としてスタミナをつけるメニューを多くこなす。FAで帆足、外国人ではピントと2人の左腕獲得に成功。155キロ右腕カストロの獲得にも乗り出しているが、王貞治球団会長(71)は「(摂津の契約更改が)うまくいったのはいいこと。新戦力よりも計算できる」と期待した。新エース襲名へ-。制球力抜群の右腕が合わせた開幕の照準は外さない。【奈島宏樹】