昨年、甲子園で春夏連覇したトルネード左腕が大学初登板で「完全」デビューを飾った。興南(沖縄)から中大に進学する島袋洋奨投手が26日、中央学院大とのオープン戦に先発。左肩炎症で調整遅れながらも4回打者12人から8奪三振と、1人の走者も許さなかった。

 新たに背番号「18」を付け、昨年9月の千葉国体以来となる実戦マウンドで躍動した。「どんな形でも無駄な走者を出さない」をテーマに掲げて貫徹した。先頭打者を3球三振に仕留めるなど1回を10球で終え、最速142キロを計測した直球は2回以降、140キロ台を連発。「スピードも出ていたし、この時期としては上出来」と北風が吹き付ける悪条件下でスライダー、ツーシームの変化球にも乱れはなく、計45球でボールは8球のみ。予定の3回では物足りず続投したほどで、昨年の全日本大学選手権8強を寄せ付けなかった。

 左肩の痛みは昨春センバツ後にも経験しており、今月下旬に一時帰郷した際、前回と同じ理学療法士の治療により解消した。新人ながら優勝請負人の期待も背負うが「モチベーションが変わるので、高校のときから実戦の方がいい投球をできる。あとは100球程度の投げ込みができれば」と頼もしかった。【中島正好】