<首都大学野球:日体大6-3筑波大>◇最終週最終日◇23日◇平塚

 日体大は、エース辻孟彦投手(4年=京都外大西)がリーグ新記録のシーズン10勝を達成。勝ち点5で、13季ぶり20度目の優勝を果たした。

 筑波大の最後の打者を一ゴロに仕留めると、辻は右手を握り締め、歓喜の勢いで1回転した。「やることをやれば勝てるって思ってました。7回に追加点を取ってくれて、感動した」。自身初のリーグ優勝は、シーズン10勝の新記録のおまけつきだった。目に涙をため、人生初の胴上げで3度宙を舞った。

 今年の初め、学生最後の年の目標を定めた。「プロに行く。そのためにも優勝する」。背中を押してくれたのは、昨年の中日ドラフト1位、大野だった。リーグ戦でなかなか注目されなかったが、全日本大学選手権で一気に株を上げた中学、高校の先輩。昨年12月に京都外大西のOBで集まった際には「プロいけよ」と激励された。

 とはいえ、昨秋は未勝利。そしてモデルチェンジを決意した。140キロ台後半の直球を全力で投げ込む力投派から、連投でも勝てるよう力加減を調整できるようになった。今季は14試合中13試合に登板し、チームの全勝利を請け負った。

 古城隆利監督(41)も「原辰徳さんがいたとき、東海大の10連覇を阻止したのは私の先輩たちだった。また原家の血筋を止めましたね。辻が頑張ってくれた」とたたえた。6月の全日本大学選手権の出場権を得た辻は「東海大や他大の思いもある。大学日本一になりたい」。全国の舞台でも白星を重ねて、アピールする。