<札幌6大学野球:札幌大4-3道都大>◇第1節第2日◇27日◇札幌円山

 今春リーグ5位の札幌大が、5連覇中の道都大を延長10回の末、下した。1年生右腕、山下史也(青森山田)が強力打線を相手に被安打8、味方の4失策が絡み3失点(自責0)したが、完投で大学初勝利を挙げた。「1人1人、ホームランを打てるバッター。気が抜けなかった」と喜びに浸った。

 高校時代から抱き続ける全国への挑戦を目標に札幌に戻ってきた。札幌藤野中を卒業後、青森山田に進学。04年から6年連続夏甲子園に出場していた強豪で、3年春には「1」を背負った。最高成績は3年夏の県大会ベスト4。背番号10で最後の夏を終え「どうしても甲子園に行きたかったけど行けなかった。だから今度は神宮に行きたいと思った」とあきらめず、リーグ最多32度の優勝を誇る札幌大を選んだ。

 07年春以来の頂点を狙うチームには、勢いがある。この日の先発6人は1年生。10回の決勝打も今秋からベンチ入りした4番土井昌平一塁手(1年=札幌龍谷学園)が放った。高石克美監督(61)は「今年の1年生は一生懸命。よく練習もする」と認める。大学5試合目の登板で初勝利を挙げた山下は「春は勝てず、先輩たちに申し訳なかった。自分たちが頑張っていきたい」と意気込み、15季ぶりの優勝を目指す。【保坂果那】