<北東北大学野球:富士大6-1ノースアジア大>◇第2週第1日◇30日◇八戸市東運動公園野球場

 富士大(岩手)のエース右腕多和田真三郎(3年=中部商)が先発。8回を投げて18三振を奪い、リーグ1試合最多奪三振記録を7年ぶりに塗り替えた。これまでの記録は、07年春に三浦翔太投手(岩手大)がマークした17。試合は打線が後半得点を重ね、勝利した。

 多和田が底力をみせた。初回にタイムリーを打たれ、1点先制された。味方は4回まで無得点。結局8回で8安打3四死球1失点の苦しい投球。その中で、ストレートとフォークなど変化球を巧みに投げ込み、空振り13、見逃し5の三振を奪ってみせた。

 「最初から自分の投球ができないといけない」と多和田は自分に厳しかった。前週の青森中央学院大戦は延長10回を投げ、9安打4失点。奪三振は9だった。この1週間、変化球の制球などの改善に努めた。この日は「後半はよくなったが、まだ納得できる投球ではなかった」という。

 これでリーグ通算24勝目。一昨年の神宮大会では2回戦の国際武道大戦でノーヒットノーラン達成。ベスト4進出を果たした。富士大を、いや北東北リーグを代表するエースが、今度は最多奪三振記録の金字塔を打ち立てた。「いいストレートを1、2球は投げるが、上でやるには3、4球続けることができないと」と自らに課題を課す。「個人の記録はあまり関係ない。あくまでチームの優勝が目標。というより目の前の1戦1戦に全力を傾けるだけ」と多和田は表情を引き締めた。【北村宏平】