“黒田シュート”で内角をえぐる-。広島から3位指名を受けた小松剛投手(22=法大)が1日、川崎市の野球部合宿所で指名あいさつを受けた。最速149キロの直球、シュート、スライダーを武器に東京6大学で通算11勝を挙げ、201三振を奪った右腕。苑田スカウト部長は「黒田(ドジャース)のようなシュートがある。即戦力として考えている」と大きな期待を込めた。

 シュートピッチャーは重宝される。それが“黒田級”のボールなら十分即戦力だ。苑田スカウト部長は「黒田のシュートによく似ている。ああいう球を投げられる投手はなかなかいない。あの球をどんどん投げてほしい」と小松の活躍に早くも思いをはせている。

 もっとも、小松自身は「シュート」という意識はない。「内角の強いストレートを意識して、ツーシームの握りで投げると球が動く」。法大入学当初は、変化球はカーブとスライダーだった。球種を増やそうと大学3年時に着手。いろんな握りを試した。今では直球を思うように(シュート系に)変化させることが出来るという。

 「黒田もシュートを多投するようになって、どんどんよくなった。そしてあれだけ成功した」と同スカウト部長。小松自身も、黒田にあこがれを抱いている。何度もテレビでその投球に見入った。「直球もシュートも素晴らしい。何より負けないイメージがある」。

 指名会見で自分を「気持ちで投げるタイプ」と表現した小松。黒田の気迫の投球に自分をかぶらせる。「精神的に目指すところは黒田さん」。今季は背筋痛で出遅れたが、すでに完治。「次のステージへ期待はある」。最速149キロの直球にスライダーも大きな武器。内をえぐり、外を振らせて-。“負けない投手”を目指していく。【網孝広】